書籍
NICARAGUA CANAL · 1846
原題Canal of Nicaragua: Or, a Project to Connect the Atlantic and Pacific Oceans by Means of a Canal
ニカラグア運河――運河によって大西洋と太平洋を結ぶ計画
大西洋・太平洋間運河計画・1846年刊 日本語全訳
ルイ=ナポレオン・ボナパルトがN. L. B.名義で印刷したニカラグア運河計画です。サン・フアン川とニカラグア湖を経て大西洋と太平洋を結ぶ航路について、運河線、閘門、港湾、工費、会社組織、植民、貿易、国際的意義を論じ、付録では諸経路と航海距離を比較します。
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ルイ=ナポレオン・ボナパルトが、ニカラグアを通って大西洋と太平洋を結ぶ運河の構想を論じた計画書です。サン・フアン川、ニカラグア湖、ティピタパ水路、レオン湖などを結ぶ経路を検討し、太平洋側のレアレホへ至る交通網を描きます。地理的な可能性の説明に加え、工事費、通航収入、事業会社の組織、移住と地域開発まで扱い、運河を世界貿易の新たな中心として構想しています。
技術面では、各区間の距離や高度、河川と湖の水深、閘門の規模、港湾の条件を取り上げます。既存の水路を利用できる利点と、掘削や水位調整が必要な箇所を分けて論じ、一定規模の船舶が通れる断面を想定します。湖の深さについては報告者による違いにも触れ、利用可能な情報を比較しながら計画を組み立てています。水面の高さの差や貯水能力は、経路を成立させるための重要な条件です。
運河の経済的意義は、ホーン岬や喜望峰を回る航路と比べた航海距離・日数の短縮によって説明されます。欧州や北米から太平洋岸、中国、オーストラリアなどへ向かう航路を視野に入れ、交通の変化が交易を拡大すると見込みます。附属資料でも複数の経路を比較し、ニカラグア案の有利さを示そうとします。ここでの短縮日数や収入は、事業を正当化するための計算と予測です。
地域経済の説明には、中央アメリカの輸出入、藍などの産物、輸入される織物や金属製品、既存の商業関係が用いられます。工事を行うだけでなく、周辺への人口移動や農業・商業の発展によって、運河そのものの需要が増すという考え方です。会社の制度設計や資金調達にも話が及び、地峡の自然条件と投資を引き付ける制度とを一つの構想にまとめています。
本書が示すのは、完成した運河の実績ではなく、十九世紀半ばに提出されたニカラグア運河案の論理です。地理情報の不一致や将来需要の推定を含みながら、土木工事、国際航路、植民・開発政策を結び付けています。技術上の検討と壮大な経済的展望がどのように支え合い、国家間の海上交通を再編する事業として語られたかを読むことができます。
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- 原刊
- ロンドン、Mills & Son、1846年
- 翻訳版
- 78頁
- 図版・挿図
- 4点
- 原刊言語
- 英語
SOURCE & PUBLICATION DATA
底本・公開情報
- 底本
- N. L. B. [Louis-Napoléon Bonaparte], Canal of Nicaragua: Or, a Project to Connect the Atlantic and Pacific Oceans by Means of a Canal, London: Mills & Son, Crane-Court, Fleet-Street, 1846.
- 権利・利用条件
- 1846年刊の原著はパブリックドメインです。Internet Archiveのメタデータは possible-copyright-status: NOT_IN_COPYRIGHT と表示し、個別のCreative Commonsライセンスは掲示していません。
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