メキシコの表紙

論文

DEUTSCH-AMERIKANISCHES CONVERSATIONS-LEXIKON · 1872

原題Mexico

メキシコ

1872年事典項目・原刊261–288頁 日本語全訳

Carl Hermann Berendtカール・ヘルマン・ベレント

『独米会話辞典』第7巻の「メキシコ」項目。国土、地形、気候、人口、民族、行政、産業、交通、歴史に加え、同名の州・連邦区・首都までを扱う原刊261–288頁の全訳です。

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『独米会話辞典』の「メキシコ」項目として書かれた、国土、自然、人口、民族、行政、産業、交通、歴史をまとめる百科事典的な地誌です。共和国全体の説明に加えて、同名の州、連邦区、首都も扱います。一つの地域を詳しく踏査した報告とは異なり、地理的な基盤から政治史までを集約し、19世紀の読者にメキシコの全体像を示すことを目指しています。

国の位置と境界、面積、半島、海岸から始まり、山地、高原、河川、気候へ説明が進みます。河川は流路、支流、長さ、滝などに即して記され、国土の起伏と水系を把握するための情報が積み重ねられます。温帯と熱帯にまたがるという位置だけでなく、土地の高さや地形の違いが環境の多様さを作ることを、全国規模の地誌として読むことができます。

人口と民族については、諸集団の居住域と言語を地名に結びつけて整理します。オトミ、タラスコ、マサワ、マトラツィンカ、パメなどの分布や、スペイン語へ移行した地域にも言及します。民族と言語を分けながら全国を分類しようとする関心がある一方、名称、集団の境界、評価には当時の知識が反映されます。現在の人口構成や言語状況をそのまま表すものではありません。

歴史は古代の移住と国家の形成から征服、植民地、独立、共和国の政争へ及びます。チチメカやナワトル語系諸集団の移動、テスココの成立を伝承に基づいて語った後、独立運動の指導者、副王の鎮圧と融和策、サンタ・アナの独裁、軍人と聖職者の特権、改革派との対立を取り上げます。出来事を短い叙述へ圧縮するため、何を転機とみなすかには編者の歴史観が強く表れます。

行政、産業、交易と交通の記述は、自然条件と政治史を同時代の国力や生活へ結びつけます。首都と州を別に扱うことにより、「メキシコ」という名称が指す範囲の違いも確認できます。参考文献を含む項目全体は、当時利用できた知識を一か所へ集めた案内として役立ちます。数値や制度を現在の情報として読むのではなく、19世紀後半に国外へ提示されたメキシコ像として見ると、地理、民族、経済、政治をどのような順序と重みで説明したかがわかります。

地理事典地域研究歴史地理メキシコ北アメリカ中央アメリカドイツ語メキシコ地誌人口産業交通19世紀後半

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原刊
ニューヨーク、1872年
翻訳版
46頁
図版・挿図
0点
原刊言語
ドイツ語

SOURCE & PUBLICATION DATA

底本・公開情報

底本
Carl Hermann Berendt, “Mexico,” Deutsch-amerikanisches Conversations-Lexikon, Bd. 7, New York: F. Gerhard, 1872, pp. 261–288.
権利・利用条件
1872年刊の原著本文はパブリックドメインです。Internet Archiveの当該アイテムはcontributorをUniversity of Michigan、licenseurlをPublic Domain Mark 1.0(http://creativecommons.org/publicdomain/mark/1.0/)と表示し、rights欄には個別指定がありません。公開画像の利用にはInternet ArchiveのTerms of Useが適用されます。
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