新世界史の表紙

書籍

HISTORIA DEL MONDO NUOVO · 1565

原題La historia del mondo nuovo

新世界史

1565年ヴェネツィア初版・日本語全訳

Girolamo Benzoniジローラモ・ベンゾーニ

1541年から1556年にかけて新世界を旅したミラノ出身のベンゾーニが、カリブ海域、中央アメリカ、ペルーなどでの見聞を記した著作です。先住民の生活や習俗、スペイン人の征服と統治を批判的に描きます。スペイン国立図書館所蔵の1565年ヴェネツィア初版を底本としました。

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ミラノ出身のジローラモ・ベンゾーニが、一五四一年から一五五六年にかけての新世界での経験をもとに、カリブ海域、中央アメリカ、ペルーの征服と植民地社会を描いた著作です。著者は新しい土地への好奇心と旅行への志向を語り、自分が見た事柄と信頼できる人から聞いた事柄を選んで記すと説明します。帰途のハバナでの足止めや大西洋の嵐、スペインを経てイタリアへ戻るまでの出来事も、長い旅の一部として記されています。航海や移動の苦難を伴う旅行記であるとともに、富を求める征服者と植民者の行動を、強い道徳的な批判の下に置く新世界史でもあります。

中央アメリカなどの記述では、先住民の食物、衣服、住居、栽培、交易、舟、歌や踊りに目を向けます。トウモロコシの播種と収穫、石で挽いたカカオの実を水で溶く飲み物、容器として用いるヒョウタンなど、日常生活の具体的な作業が説明されます。カカオ飲料を当初は嫌った自分が、やがて飲むようになったという話もあり、異文化の観察と個人的な感覚が重なります。図版も、食べ物の加工や漁、航行といった営みを伝える役割を担っています。

ペルーについては、太陽への礼拝、神殿、織物を作る女性たち、供犠、埋葬、服装、コカ、道路、金銀細工などを取り上げます。インカの支配や建築の規模を伝えながら、スペイン人による破壊と、征服後に先住民が置かれた困窮を繰り返し指摘します。金属を溶かす器や吹管、石の道具を使う加工の説明では技術への関心が表れます。一方で宗教を悪魔と結びつけ、慣習をキリスト教的な尺度で評価するため、生活の記録と著者の偏見を区別して読む必要があります。

スペイン人への批判は、強欲、暴力、奴隷の利用、聖職者や役人の行状へ及びます。しかし人物評価は一様ではなく、グアテマラで先住民保護に努めた裁判官セラトを高く評価し、役職に伴う責任を神の審判と結びつけて説きます。異教の人々へ教えを説く者こそ、日々の行いを正すべきだという問いが、その批判の核にあります。見聞した風俗、伝聞による歴史、個人の冒険、宗教的な告発が交錯する構成を通じて、征服の利益と暴力を内側から見た旅行者の視線を伝える一冊です。

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原刊
ヴェネツィア、フランチェスコ・ランパツェット、1565年
翻訳版
200頁
日本語訳表紙
18点
原刊言語
イタリア語

SOURCE & PUBLICATION DATA

底本・公開情報

底本
Girolamo Benzoni, La historia del mondo nuovo, Venetia: Francesco Rampazetto, 1565.
権利・利用条件
1565年刊の原著はパブリックドメインです。スペイン国立図書館の標題紙・木版画画像はCC BY 4.0で公開されています。Imágenes procedentes de los fondos de la Biblioteca Nacional de España. 本文図は外枠を残して切り出しています。利用案内:https://bnedigital.bne.es/fs/static/pdf/guia-de-uso-bne-digital.pdf。169葉表の図はローマ国立中央図書館所蔵本のGoogle Books公開画像を全頁で使用し、透かしを保持しています。補完底本:https://books.google.com/books?id=xfHCk1ELQ6MC&printsec=frontcover。
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更新日

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