書籍
PERCEMENT DE L’ISTHME DE PANAMA · 1858
原題Percement de l’isthme de Panama par le canal de Nicaragua. Exposé de la question
ニカラグア運河によるパナマ地峡の開削――問題の解説
1858年刊 日本語全訳
フェリックス・ベリーが、ニカラグア湖とサン・フアン川を利用する両洋間船舶運河について、1858年のリバス協約、中央アメリカの政治情勢、候補経路、工事費、収入見積り、国際的中立化を論じ、関連条約・外交文書と折込地図3点を収めた運河計画書です。
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フェリックス・ベリーが、ニカラグア湖とサン・フアン川を利用して大西洋と太平洋を結ぶ船舶運河の構想を説明した、一八五八年の計画書です。リバス協約、中央アメリカの政治情勢、路線、工事費、予想収入、国際的な中立化を順に論じ、条約や外交文書、地図を添えます。技術上の可能性を示すだけでなく、建設の資金と特許、運営の仕組み、関係国の利害を一つの事業として説得しようとする性格を持っています。
リバス協約では、特許取得者の権利と義務が重要になります。補助金なしに建設、維持、運営の費用を負うという条件は、国家の許可と民間の事業責任を結ぶものです。中央アメリカの章ではニカラグアとコスタリカを中心に状況を説明し、現地の指導者や政治秩序を評価します。著者は米国人の影響を不安定化の原因として批判する一方、ヨーロッパの商業と中央アメリカの繁栄を両立できる事業として運河を示そうとします。
路線の検討では、距離が長くても湖を利用すれば費用を抑えられるという主張を、地形と工事の説明で支えます。サン・フアン川、ニカラグア湖、ティピタパ川、マナグア湖、太平洋側の地峡と港を取り上げ、分水点、東側、西側に分けて予備計画と見積りを示します。付載資料には船が通る寸法、海面からの高さ、両端の港の工事、予想される収入が並びます。世界図と距離比較は、スエズとニカラグアの開通が航路をどう短縮するかを、広い通商の見取り図へ置きます。
クレイトン=ブルワー条約や英米間の文書、新聞記事、ニカラグアの宣言を収めることで、運河計画が外交上の争いから独立できないことも明らかになります。費用、収入、工事の容易さは実績値ではなく、事業を推進する著者の予測として読む必要があります。また中立化の構想も、政治的な条件を取り除いた純粋な技術案ではありません。本書は完成した運河の歴史ではなく、実現へ向けて地理、資本、国家の合意をどのように組み合わせたかを示す資料です。既存の河川と湖を世界貿易の通路へ作り替える計画が、どんな数字と約束、政治的な説明によって正当化されたのかを、本文と付属文書を照合しながら検討できます。
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- 原刊
- パリ、運河局事務所/リブレリー・ヌーヴェル、1858年
- 翻訳版
- 172頁
- 折込地図
- 3点
- 原刊言語
- フランス語
SOURCE & PUBLICATION DATA
底本・公開情報
- 底本
- Félix Belly, Percement de l’isthme de Panama par le canal de Nicaragua. Exposé de la question, Paris: Aux bureaux de la direction du canal; Librairie Nouvelle, 1858.
- 権利・利用条件
- 1858年刊の原著はパブリックドメインです。Minervaリポジトリは当該所蔵本に「Dominio público (PDM)」/Public Domain Markを表示しています。
- 公開日
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