書籍
À TRAVERS L’AMÉRIQUE CENTRALE · 1867
原題À travers l’Amérique centrale : le Nicaragua et le canal interocéanique
中央アメリカを横断して――ニカラグアと大洋間運河
1867年刊・全2巻 日本語全訳
フェリックス・ベリーが中央アメリカを横断した経験をもとに、グアテマラ、ニカラグア、コスタリカの社会・政治・経済を描き、ニカラグア湖とサン・フアン川を利用する大洋間運河の諸経路、1858年リバス協約、1859年遠征、技術・財政問題、関連条約・文書を論じた全2巻の著作です。
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フェリックス・ベリーが中央アメリカを横断した経験と、ニカラグア大洋間運河の実現へ向けた活動をまとめた全二巻の著作です。グアテマラ、ニカラグア、コスタリカなどの社会と政治、各地の産業と交通を描きながら、湖とサン・フアン川を用いる運河の経路、協約、資金、技術、外交を詳しく論じます。計画の当事者による回顧であり、地域の紹介と、自分の事業がなぜ進まず挫折したかという説明が重なっています。
旅の記述では、太平洋岸に並ぶ火山、港と都市、案内人の手配、住民との接触が示されます。サルバドルの都市と海への出口、戦争が経済へ与えた損害、グアテマラの社会に残る身分的な偏見などを論じ、自然の豊かさと政治・社会の問題を対照します。人々の性格をめぐる一般化には当時のヨーロッパ人の視点があり、土地の観察と人物評価を分けて読む必要があります。
コスタリカなどの比較では、政治的な安定、経済活動、信用制度の整備に関心を向けます。中央アメリカの国々が独立を保つために、ヨーロッパの関与が必要だという主張も強く、運河は単なる輸送の設備ではありません。各国の対立と外国の介入、通商の自由、地域の自主性を左右する国際事業として構想されます。著者自身の政治的な期待が地誌の説明を方向づけています。
一八五八年のリバス協約、一八五九年の遠征、諸国の商業会議所の反応、出資と請負の取り決めなどを通じ、計画を実行するための人と組織の関係が具体化します。公的な後援を得られなかったことや、代理人との対立も記し、失敗の責任をめぐる自己弁護の性格を持ちます。関連する条約や文書は、回顧的な主張を当時の取り決めと照合する手がかりとなります。
技術面では、湖の高さの差、ティピタパの落水、サン・フアン川の区間、急流、港と建設資材などを検討します。財政と経路の優劣、衛生と気候も、工事の成立条件として論じられます。本書は完成後の評価ではなく、事業を進めた人物の経験に基づく提案と論争の記録です。地峡を横断する運河が、測量だけでなく、国家間の合意、資金、個人の信用によって左右されたことを広い範囲から知ることができます。
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- 原刊
- パリ、Librairie de la Suisse romande、1867年
- 翻訳版
- 795頁
- 折込地図
- 2点
- 原刊言語
- フランス語
SOURCE & PUBLICATION DATA
底本・公開情報
- 底本
- Félix Belly, À travers l’Amérique centrale : le Nicaragua et le canal interocéanique, 2 vols., Paris: Librairie de la Suisse romande, 1867.
- 権利・利用条件
- 1867年刊の原著はパブリックドメインです。Google Booksは両巻の所蔵本をパブリックドメイン資料として公開しています。
- 公開日
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