書籍
HISTORIA DEL FERROCARRIL MEXICANO · 1874
原題Historia del Ferrocarril Mexicano
メキシコ鉄道史
湾岸地帯から中央高原にいたるメキシコの富・1874年刊 日本語全訳
バスとガリョがベラクルス―メキシコ鉄道の成立、建設、路線、橋梁・トンネル・駅を記録し、湾岸地帯から中央高原に至る各地の地質、農業、工業、商業、都市と人口を統計表・図版とともに論じた1874年刊の鉄道史・地誌です。
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一八七四年刊の『メキシコ鉄道史』は、ベラクルスとメキシコ市を結ぶ鉄道の成立と建設を記録するとともに、路線沿いの自然、産業、都市、歴史を紹介する地誌です。バスとガリョは、特許と事業の経過を示す年譜、橋梁・トンネル・駅の説明、人口や生産に関する統計を組み合わせ、湾岸から中央高原へ延びる鉄道が国土をどのようにつなぐかを描きます。交通施設の記録を通じて、メキシコの経済的な可能性を提示する著作でもあります。
行程に沿った記述は、ベラクルスからコルドバ、オリサバを経て高原へ進み、トラスカラ、オトゥンバ、テオティワカン、首都へと読者を導きます。標高と地形の変化は工事の難しさに関わるだけでなく、景観や農作物、生活の違いを生み出す条件として扱われます。技師と特許保有者の紹介や構造物の図版は、路線を実現した人々と工学上の仕事を具体的に示しています。
沿線地誌は鉄道のすぐ近くに限られず、ベラクルス州の諸郡や港湾、テワンテペク地峡の樹木と有用植物にも及びます。農産物、工業、商業、皮なめし用植物、ゴムや油などを分類する表からは、自然環境を輸送と生産の資源として捉える視点がわかります。鉄道によって何が運ばれ、どの土地が市場へ結ばれ得るかという関心が、幅広い統計と物産の記載を支えています。
プエブラ支線の説明では、技術と経済性だけでなく、土地所有者や都市の要求が路線選択に影響したことが語られます。プエブラとトラスカラがそれぞれ接続を望み、複数の経路が検討される場面は、鉄道建設が地域間の利害調整でもあったことを示します。完成した線路を当然の結果として見るのではなく、採用されなかった案や土地をめぐる判断から事業の選択を読み取れます。
古代都市、征服、独立後の戦争に関する挿話も多く、沿線の地名は歴史の記憶を呼び起こす場所となっています。著者の政治家や征服者への評価、進歩への期待は、十九世紀後半の立場を反映しています。統計値や技術記述と、国民的な誇りや批判を含む叙述を分けて読むことで、本書は鉄道の建設史だけでなく、近代的な交通網を通して国土を語り直す時代の資料としても理解できます。
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- 原刊
- メキシコ、Gallo y Compañía、1874年
- 翻訳版
- 462頁
- 図版・挿図
- 38点
- 原刊言語
- スペイン語
SOURCE & PUBLICATION DATA
底本・公開情報
- 底本
- Gustavo Baz and Eduardo L. Gallo, Historia del Ferrocarril Mexicano: riqueza de México en la zona del Golfo á la Mesa Central, bajo su aspecto geológico, agrícola, manufacturero y comercial, México: Gallo y Compañía, 1874.
- 権利・利用条件
- 1874年刊の原著本文・図版はパブリックドメインです。主底本はHathiTrustでPublic Domain〔pd〕/Full view、補助版はGoogle BooksでPublic domain/Full viewと表示されています。公開機関による別個のライセンス付与は確認していません。
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