古き日の回想の表紙

書籍

MEMORIAS DE ANTAÑO · 1896

原題Memorias de antaño

古き日の回想

Antonio Batres Jáureguiアントニオ・バトレス・ハウレギ

グアテマラの人物、事件、風俗、伝承を記した歴史随筆集です。ケツァールの伝説、植民地時代の事件、アンティグア・グアテマラの震災と遷都、独立運動、演劇と博物館の歴史、ラファエル・ランディバルとアントニオ・ホセ・デ・イリサリの評伝などを収めます。1896年オークランド刊を底本としました。

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アントニオ・バトレス・ハウレギの『古き日の回想』は、グアテマラの伝説、植民地の事件、都市の災害、独立運動、文化活動、人物の生涯を集めた歴史随筆集です。一つの年代順の通史ではなく、土地や人物に結びついた出来事を取り上げ、その逸話から過去の社会を描き出します。ケツァールの伝説に始まり、カルメンの丘、ニカラグアの謀反人、処刑された人びとの亡霊、修道院の騒動、妖怪や魔法使いへと、異なる種類の記憶が並びます。

伝承を扱う章では、鳥や植物、聖地、怪異をめぐる物語が、土地に蓄積された感情とともに語られます。著者は過去の信仰や素朴な風俗に親しみを示し、同時代の実証主義や現実主義への批判も差し挟みます。そのため、怪異の記述は現象の事実性を証明する報告としてではなく、何が人びとに信じられ、どのように語り継がれたか、また著者がその記憶にどんな価値を与えたかを読む部分となっています。

アンティグア・グアテマラの崩壊と遷都を論じる章では、地震による被害だけでなく、旧都にとどまるか新しい所在地へ移るかをめぐる対立が詳しく扱われます。行政当局、アウディエンシア、教会、修道会、住民の判断が一致せず、行列の禁止さえ都市を無人化する政策ではないかと受け止められる様子が示されます。災害後の都市再建は、建物を移す問題であると同時に、権威、生活基盤、宗教行事、地域への帰属をめぐる政治的問題だったことが分かります。

さらにベレンの陰謀、演劇の歴史、中央アメリカ最初の博物館、詩人ラファエル・ランディバル、アントニオ・ホセ・デ・イリサリの生涯を通じて、独立と文化活動の関係へ話題が広がります。イリサリについては幼少期からメキシコ、南アメリカ、ヨーロッパでの活動まで視野に入れ、人物伝を地域を越えた歴史につなげています。公文書に基づく事件、回想的な逸話、伝説、人物への賛辞が同居するところに本書の特色があります。それぞれの確かさと語りの目的を区別しながら読むことで、十九世紀末の知識人が、グアテマラの過去をどんな場面や人物によって記憶しようとしたかをたどれます。

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原刊
Oakland, California: Pacific Press Publishing Company, 1896.
翻訳版
223頁
図版・挿図
14点
原刊言語
スペイン語

SOURCE & PUBLICATION DATA

底本・公開情報

底本
Antonio Batres Jáuregui, Memorias de antaño. Oakland, California: Pacific Press Publishing Company, 1896.
権利・利用条件
1896年刊の原著本文および当時の図版は著作権保護期間を満了しています。Internet Archiveの公開記録はNOT_IN_COPYRIGHTとしています。Googleのデジタル複製に付された利用案内は非商用利用、帰属表示の保持、自動取得の制限等を求めています。
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