インディオ、その歴史と文明の表紙

書籍

LOS INDIOS · 1894

原題Los indios, su historia y su civilización

インディオ、その歴史と文明

Antonio Batres Jáureguiアントニオ・バトレス・ハウレギ

グアテマラを中心とするアメリカ先住民の歴史と文明を論じた著作です。先コロンブス期の社会、スペイン征服と植民地統治、19世紀の土地・労働・教育政策を扱います。1894年グアテマラ刊を底本としました。

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バトレスの『インディオ、その歴史と文明』は、アメリカ先住民、とくにグアテマラの人々の過去と19世紀の境遇を、三つの時代区分で論じた著作です。第一部はコロンブス以前、第二部はスペイン支配下、第三部は独立後を扱い、古代文明の説明を現在の土地・労働・教育政策へつなげます。著者は多数の歴史家や年代記の記述を引用して議論を支え、先住民の状態を長期の制度と社会関係から説明しようとします。

第一部では住民の起源、人種と言語、中央アメリカの諸社会、宗教儀礼、統治制度、王位継承、民法と刑法、教育、詩・演劇・音楽を検討します。神話や伝承を扱う箇所では、他地域の物語との類似や、口承が広がる仕組みへも関心を向けます。征服前の社会が備えていた知識や技術、政治制度を示す一方、それらを「文明」の段階として序列化する枠組みが全体を貫き、由来や民族関係に関する断定には当時の学説が反映されています。

第二部は征服と植民地制度、インディアス法、ラス・カサス、貢納、労役命令、エンコミエンダを取り上げます。王室の保護的な規定と現地での虐待や人口減少を併記し、法律の文言と実際の支配の差を問います。さらにコフラディア、聖具室、教区での奉仕に伴う負担や、1810年にスペインのコルテスへ提案された改善策を扱い、宗教的な共同体の活動も経済的な負担の問題として検討しています。

独立後を扱う第三部では、強制的な労役と自由労働、農村法典、共同体の土地、エヒード、共同体財産、改革法が中心になります。教育や経済制度を変えることで先住民の境遇を改善できるという議論は、19世紀の自由主義的な改革思想を示しますが、「文明化」の名で生活様式を評価する限界も抱えます。本書を読む際には、著者による虐待批判と、先住民を改良の対象として見る発想の両方に注目する必要があります。1894年の著作として、征服以前の歴史をいかに独立国家の政策論へ用いたか、また保護、私有、労働、教育がどのように結びつけられたかを具体的に知ることができます。

各部を通して、過去の慣習の説明が現在の改革の根拠として使われています。そのため古代史の章も独立した概説ではなく、先住民の能力と社会的可能性をめぐる、著者の同時代的な論争の一部として読むと意味が明瞭になります。

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原刊
Guatemala: Tipografía La Unión, 1894.
翻訳版
269頁
図版・挿図
0点
原刊言語
スペイン語

SOURCE & PUBLICATION DATA

底本・公開情報

底本
Antonio Batres Jáuregui, Los indios, su historia y su civilización. Guatemala: Tipografía La Unión, 1894. 標題紙中央には1893年、下部刊記には1894年と記載。
権利・利用条件
1894年刊の原著本文は著作権保護期間を満了しています。Internet Archiveの当該項目はNOT_IN_COPYRIGHTと表示しています。原刊画像と現代の電子転写には、各公開元の利用条件が適用されます。
公開日
更新日

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