論文
THE AMERICAN WHIG REVIEW · 1850
原題British Encroachments and Aggressions in Central America: The Mosquito Question
中央アメリカにおけるイギリスの蚕食と侵略——モスキート問題
『The American Whig Review』1850年二分載 日本語全訳
中央アメリカにおけるイギリスの進出、モスキート保護国をめぐる主張、サン・フアン・デ・ニカラグア、フォンセカ湾とティグレ島、大洋間運河をめぐる外交問題を論じた1850年の二分載論文です。
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1850年に発表された、中央アメリカでの英国の進出を強く批判する論考です。モスキート保護国をめぐる権利主張、サン・フアン・デ・ニカラグア、フォンセカ湾とティグレ島、将来の両洋間運河を関連づけ、個別の領土問題の背後に英国の一貫した拡張政策があると論じます。中立的な地域案内ではなく、米国の外交的関心から現状へ介入しようとする政治的な文章です。
著者は英国とモスキート海岸の関係を、海賊の拠点、沿岸の交易、ベリーズの木材伐採と結びつけてさかのぼります。ブルーフィールズなどの場所の来歴を挙げ、英国が主張する古くからの関係の正当性を疑います。過去の条約で認められた木材の伐採・搬出の権利と、領土に対する主権を区別し、経済活動の許可が領有を認めたことになるのかを、条約の文言から問い直しています。
論争の中心となるのは、モスキート王国の独立や保護関係を英国が利用しているという主張です。土地の授与、投機家の活動、ジャマイカやベリーズの当局の行動を取り上げ、表面上は現地の君主による措置であっても、実質的には英国の利益に従うものだと描きます。こうした説明は著者の告発であり、現地の政治的主体性についても強い偏見と否定的な表現を伴っている点に注意が必要です。
運河への関心は、海岸や島の帰属を大国間の交通問題へ広げます。太平洋と大西洋を結ぶ経路の出入口を誰が押さえるかによって、将来の通商上の優位が変わるためです。中央アメリカについての情報不足、独立以来の混乱、地域と外部市場の弱い結びつきが、英国の進出を人目につきにくくしたとも論じます。農産物の供給、港、通過路が、同じ戦略のなかで考えられています。
米国がヨーロッパの新たな植民地化へ反対する立場を示していたことも、議論の前提です。しかし英国の帝国主義を批判する文章が、それだけで先住民への対等な理解を示すわけではありません。人種的な侮蔑を交えたモスキート社会の描写は、著者の限界を明瞭に伝えます。本論考は、運河建設以前に地峡の地理がすでに国際政治の争点となっていたことと、その争点を米国側の論者がどのような歴史と法の説明で組み立てたかを読む資料です。
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- 原刊
- ニューヨーク、『The American Whig Review』New Series、第5巻第2–3号、1850年、188–203頁・235–268頁
- 翻訳版
- 75頁
- 図版・挿図
- 1点
- 原刊言語
- 英語
SOURCE & PUBLICATION DATA
底本・公開情報
- 底本
- “British Encroachments and Aggressions in Central America: The Mosquito Question,” The American Whig Review, New Series, vol. V, nos. II–III (1850), pp. 188–203, 235–268. 原刊は無署名で、Charles Lee Stansifer, Ephraim George Squier: Diversos aspectos de su carrera en Centroamérica (1968), p. 64、およびDon C. Seitz, Letters from Francis Parkman to E. G. Squier (1911), p. 52によりスクワイアへ帰属します。
- 公開元
- Internet Archive公開本。提供元はLincoln Financial Foundation Collection(Allen County Public Library)です。 ↗
- 権利・利用条件
- 原著はパブリックドメインです。Internet Archiveの当該資料ページには個別のCreative Commons等のライセンス表示がありません。原刊地図一点を記事内容として収録しています。
- 公開日
- 更新日
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