論文
EL ARCHIVO DE INDIAS · 1911
原題El Archivo de Indias y las exploraciones del Istmo de Panamá en los años de 1527 a 1534
インディアス文書館とパナマ地峡の探検 1527-1534年
パナマ地峡の交通路・河川調査と16世紀文書・日本語全訳
インディアス文書館の史料をもとに、パナマ地峡の探検と両洋間の交通路を論じた研究です。1527年のチャグレス川踏査、1534年の河川・陸路調査の報告と証言、1540年の勅令などを収録します。CSICのセビーリャ・アメリカ研究図書館所蔵本を底本としました。
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本書は、インディアス文書館に残る記録を用いて、十六世紀前半のパナマ地峡で行われた河川探検と交通路調査を検討する研究です。一五二七年のチャグレス川踏査を中心に、川を航行可能にする計画、パナマから川へ至る陸路、両洋を結ぶ可能性についての命令と報告を収めます。後の運河事業から過去を振り返りつつ、初期植民地当局が何を知り、何を確かめようとしたかを具体的な文書から示します。
冒頭では、文書館の史料が完全ではないことが強調されます。設立時期や文書の散逸によって、著名な征服や王室の命令に関する系列にも大きな欠落があり、単一の所蔵機関だけでアメリカ史の問題を解決することはできないと述べます。刊行された年代記や他の図書館の手稿も併用すべきだという指摘は、史料を豊富に持つ機関への無条件の信頼を戒める、研究方法上の重要な前置きです。
チャグレス川の探検記録には、カヌーの建造と進水、フェルナンド・デ・ラ・セルナらの出発などが記されます。河川は海岸と内陸を結ぶ自然の道である一方、航行を妨げる障害を調べ、必要な作業を見積もる対象でもありました。勅令と現地報告を並べることで、王権が求める交通の改善と、実際の地形や船の通行条件との間にある距離を読み取れます。
一五三〇年代の調査では、総督、司法官、市会議員、公証人が関わり、踏査の結果が正式な証言として記録されます。病気の公証人に代わる同行者の任命や、その報酬の支払いまで記される点は、探検が個人の冒険ではなく、行政的な手続きを伴う公共事業だったことを示します。川の目印からパナマまでの道を調べた者の証言や、荷を積んだ小舟の到達に関する調査も収録されています。
文書群には、チャグレス川の障害除去、グランデ川へ向かう道の開設、運河の実現可能性の検討など、性格の異なる案が含まれます。命令が存在することと工事が実施されたこと、踏査者の見込みと完成した交通路とは区別して読む必要があります。本書は、両洋連絡という大きな構想の背後に、河川の一部分、短い陸路、証人の報告を積み重ねる地道な調査と制度的判断があったことを明らかにします。
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- 原刊
- Madrid, 1911. Memorias de la Junta para Ampliación de Estudios e Investigaciones Científicas, tomo VII, memoria 2. 別刷61頁。
- 翻訳版
- 48頁
- 図版・挿図
- 0点
- 原刊言語
- スペイン語
SOURCE & PUBLICATION DATA
底本・公開情報
- 底本
- Manuel Serrano y Sanz, El Archivo de Indias y las exploraciones del Istmo de Panamá en los años de 1527 a 1534, Madrid, 1911. Memorias de la Junta para Ampliación de Estudios e Investigaciones Científicas, tomo VII, memoria 2. 別刷61頁(紀要通し頁417–475)。
- 権利・利用条件
- 原著本文はパブリックドメインです。底本の電子複製はCSIC SimurgがCC BY-NC-SA 4.0で公開しています。本訳には電子複製の頁画像を転載していません。公開条件:http://simurg.csic.es/aviso-legal / https://creativecommons.org/licenses/by-nc-sa/4.0/
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