メキシコのガスコーニュ人の表紙

書籍

UN GASCON AU MEXIQUE · 1892

原題Un Gascon au Mexique

メキシコのガスコーニュ人

1892年刊・原刊全341頁 日本語全訳

Ludovic Chambonルドヴィク・シャンボン

フランスを発ち、キューバ、ユカタン、タバスコ、チアパス、ベラクルスからメキシコ各地へ進む旅行記。原刊341頁の本文、原注、引用、歌詞、原刊目次を全訳し、扉と譜例・広告の原頁画像を無裁断で収録しています。

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『メキシコのガスコーニュ人』は、フランスを出発したシャンボンが、キューバを経てユカタン、タバスコ、チアパス、ベラクルス、メキシコ各地を旅する記録です。日付を追う行程と土地ごとの説明を組み合わせ、船や馬車での移動、宿や食事、同行者との会話、遺跡の見学を軽妙な語り口で描きます。失敗や疲労も笑いへ変える旅行者の声が、各地の歴史と社会を紹介する文章をつないでいます。

ユカタンからウスマシンタ川の地域へ進む部分では、熱帯の道と川が旅の条件を決めます。道を塞ぐ枝を伐採しながら進む場面や、乗りこなせない馬を諦める場面は、遺跡訪問が容易な観光ではなかったことを示します。管理人、案内人、舟の関係者などの助けが移動を支え、旅人の行動範囲が現地の知識と交通手段に左右される様子を具体的に伝えます。

古代の建築や彫像を前にすると、著者は目に見える配置から製作や建設の順序を推測します。像の背後の文字や出入口の大きさを根拠に、建物より先に石像が置かれたと考える例もあります。こうした推論は当時の旅行者による観察として読むべきものですが、遺物を単に珍しい物として眺めるだけでなく、形と空間の関係から説明を求める姿勢が表れています。

ベラクルスでは、ヒカルテペク=サン・ラファエルのフランス人植民地などを訪ね、移住者や農園主の活動にも関心を向けます。ゴム栽培の試みとバッタによる被害、労働者の負債を帳消しにした人物の逸話などは、経営の希望と失敗、地域の評判を伝えます。首都周辺ではチャプルテペク、ネツァワルコヨトルに関わる場所、ソチカルコなどを巡り、自然の景観と歴史的な記憶を重ねます。

文章には各国の人々への感想、愛国心への評価、身体感覚を使った冗談が多く、地理案内のような均質な説明ではありません。引用、歌、会話を交えることで、旅先で接した音や言葉も記録に取り込みます。住民についての一般化や歴史の推測は著者の立場に属するものとして区別しながら読むと、広い行程の見聞と、一人のフランス人が異国をどう理解したかの両方を楽しめる旅行記です。

旅行記メキシコユカタンタバスコチアパスフランス語紀行文学譜例19世紀メキシコ

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原刊
1892年
翻訳版
259頁
図版・挿図
4点
原刊言語
フランス語

SOURCE & PUBLICATION DATA

底本・公開情報

底本
Ludovic Chambon『Un Gascon au Mexique』(Paris、1892年)。Zentralbibliothek Zürich, BR 846 蔵本。
権利・利用条件
原刊本文はパブリックドメインです。Google Books公開画像は本文の判読・照合に用い、画像とOCRは日本語版へ転載していません。公開画像にはGoogle Booksの利用条件が適用されます。
公開日
更新日

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